あしたをのぼって

少しズレてることでも意外にも君には響いていたりして

終末のイゼッタ 感想

どうも

今回の題材は終末のイゼッタです

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イゼッタを観始めたきっかけはメインヒロインの金髪のお姫様フィーネのCVが早見沙織さんだからという単純なものでしたが、いざ観始めると百合軍事アニメという僕のツボを狙い撃つようなジャンルのアニメでした。

 

結論から言うと、軍事モノとしてのストーリー展開の締めは少し苦しさもありながら、しかし絶品の百合を描いた良い作品でした。

魔女の力を持つイゼッタは祖母の教えに反し、国のリーダーたるフィーネを幼き頃に自分を助けてくれた恩を返すために全力を尽くして助けます。2人の関係はこの構図から始まったのですが、物語が進むにつれ2人が追い詰められた時、さらに関係は進展したように思えます。

物語終盤の、新たな魔女の登場により自身の命が危機に瀕してなおフィーネのためにと言い戦い続けるイゼッタの盲目的とも言うべき忠誠は、もはや昔の恩だけでは語り尽くせない次元にまで到達していました。それはまさしく「愛」と呼ぶにふさわしいものです。フィーネもまたイゼッタに対して全幅の信頼を寄せており、一方で常に彼女の身を気遣っており彼女の慈愛をひしひしと感じました。

そんな2人の関係が最高潮に達したのが月夜の晩に空を飛び回るシーン。決戦を前にしながら落ち着きを見せ、大胆に楽しそうに振る舞うフィーネとそんなフィーネに照れと戸惑いを見せるイゼッタ。2人が1つの箒に乗って空を駆ける姿は優雅で神々しさに満ち溢れており感涙を禁じ得ませんでした。美しいという言葉はこのためにあるのだと…そう確信を得るほどに。

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上記を始めイゼッタの作画スタッフは百合シーンに格別の気合が入っていたように思えます。特に下の1枚絵は百合とエロスの絶妙な塩梅で描かれており、若干の露出があるベッドでの添い寝という場面ながらもチープなエロスに堕落させないスタッフの信念を強く感じるものでした。この画像は宝物です。

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『終末→fine→フィーネ』というタイトルのカラクリに僕が気付いたのは作品が終わる頃でしたが、そのタイトルのカラクリを前にただ頷くことしかできませんでした。それはこの作品が「Fine Izetta」として完成されていたからです。

友情、忠誠、愛…あらゆる想いを織り交ぜたこの「百合」は僕自身の百合観に新たな可能性を与える素晴らしいものでした。

 

ストーリー展開について言及したいのは1点だけ。最終話の首脳会議でフィーネが涙ながらに魔女の脅威がなくなることを訴え、それによって諸侯がゲルマニア攻撃の戦端を開いた部分が少し足りないかなと思いました。特にアトランタゲルマニア制圧へ動くのはちょっと動機が弱いかなと。第二次世界大戦をモデルにしているからなんでしょうが、利害を中心に動いていた諸侯がフィーネに心を動かされるにはもう少し説明が欲しかったように思えます。僕の理解不足なら申し訳ないのですが…2周見ればわかるのかもしれません。

 

前回書いたフリップフラッパーズと同様、これもオリジナルアニメですがかなり素晴らしいクオリティでした。このようなオリジナルアニメが毎クールあると嬉しいですね。

 

今回はここまで。

ではでは〜